ヤギのキキ
体をつくるもの、それは食べものや飲みものといった身体に摂り入れるもの。
新たな場所へ移るにあたって、大切にしていたことのひとつに、いつも摂取する空気と水がきれいなこと。主食であるお米を自給すること。それは美味しく安心できるものであること。
数年前、親戚に将来のことを問われ、こんなことを話していた僕は半ば夢を見ているのではないかと思われていたのかもしれません。ですが、本当に幾多のご縁に恵まれ、いま素晴らしい環境に身を置くことができています。
また、自然環境に大きく左右されるため毎年しっかりとできるか保証のないお米つくりは、より自然環境を大切にしようという気持ちを強くさせてくれます。私たちのお米を買ってくださる方々もきっとそういった想いを強くお持ちのことと思います。
もうひとつ、20年ほど前に初めてインドを訪れたときイメージしたことがあります。それは、いつの日かヤギと一緒に暮らしたい。この話題が出ると家族間でも「いやいやそれはありえないだろう」といった感じの雰囲気でした。
でも、やってきてくれました。
夫婦でぼんやりとそんな話をしている最中、突然近所の方からの連絡
「ヤギを飼わない?」
こんなことが本当に起るんだなと涙が出そうになりました。
国立公園三瓶山の麓からわが家へやってきたヤギの名前はキキ。1歳くらいの女子です。穏やかだけどはっきりとこちらへ意思表示します。
「何のためにヤギを飼っているの?」「草刈り要員」たまにそんなことを言われますが、キキが何のためにいるのかと考えたことはありません。
言えるのは、彼女がここにいることで暮らしがずっと豊かになりました。
キキもみなさまに会えるのを楽しみにしています(たぶん)。これからもよろしくお願いします。
(西山)